大正時代の名人碁盤師・内山茂吉の作品。
大正6年の作で、今年で99年も経っているのですが、多少の痛みがありましたので、当店で総直しをしました。修理は4本の足だけでも3日もかけてペーパーで磨いたり、手間のかかった仕事で、ほとんど新作の状態になっております。
作品は日向榧の天地柾で、厚み5寸4分、盤の色具合も良く、天面の柾目も5ミリ間隔でまっすぐ揃っていて、誰にでもわかる日向榧の極上品。今ではなかなかお目にかかれない木味です。
また、この盤が作られた大正6年から35年たった昭和27年の7期本因坊戦第4局では、この盤上で熱い戦いが繰り広げられました。棋戦も白熱して、立会人の岩本薫七段から「高川7段の傑作である」と評されたほど。
高川はこの対局以降本因坊秀格を号し、9連覇の記録を残しました。白番の名局として現在でも知られていて、高川自身も会心局に挙げているなど、有名な棋戦に使用された碁盤です。
立会人の岩本薫七段と左、観戦記者で芥川賞作家の火野葦平のサインが入っております。
丸八碁盤店々主 鬼頭徳治郎
足の中に書かれた作者の署名
碁盤師・内山茂吉作
製作年月日・大正6年6月
作者の住所・東京日本橋区蛎売町3丁目12
1952年第7期本因坊戦第4局
本因坊橋本昭宇対高川格
左は「高川の好みの定石。白は手厚く打ち、左辺の黒の打ち込みにも中央を止め、68手目の△の手は1時間半の長考で、その後左右の黒をにらみながら中央の地を大きくまとめた。立会人の岩本薫から「高川七段の傑作である」と評され、白番の名局として知られている」
日向産榧[五寸四分厚天地柾碁盤]
碁盤師 内山茂吉
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碁盤師 内山茂吉
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